「あの時はビックリした。私も嫌じゃ無かった・・・」 「じゃあ!」 その後の言葉を制止するかのように私は首を横に振る。 「でもキスされて気付いたの。このままじゃいけないって。 本当に心から好きと思えないのに、獏良くんの彼女になんて・・・なれないの」 そんな私の言葉に、獏良くんはしゅんと肩を下げる。 「そっか、でも・・・それって、まださんの心から完全にボクが消えたわけでは無いって事だよね?」 「・・・うん」 「だったらボクはさんのこと、諦めたりはしないよ。今のままじゃ自分はダメだと思う。 だからもっと自分を磨いて、さんにふさわしい男になってみせます!…だから、待っていて下さい、さん!」 私は少し圧倒されながら、こくんと頷いた。 そんな獏良くんは優しくあり、また厳しい目つきにホンノリ魅かれそうになった自分だったけど、今はまだそんな時期じゃない。 それからの獏良くんは、以前よりに男らしくなった様な気がする。 相変わらず天然な所はあるけどね。 今は友人として仲良くやっていけてるし、マリクくんも一緒に学校へ通っている。 でも何故だか獏良くんとマリクくんは仲良くやっていけないみたい。 難しいよね…本当に。 このことは、時間が解決してくれることを願いつつ。 私はいつもと同じ学生生活を送り続けた。 |