バレンタインデー前日。 ショッピングセンターでは、チョコの販売大詰めに入っていた。 私も獏良くんの為に作るチョコの参考にとウィンドウショッピングに来た。 いろいろなお店を横目で見つつ、人をよけながら歩く。 ドンッ☆ 「あ、いったた・・」『っつ・・・』 誰かに正面からぶつかってしまった。 「ごめんなさい、大丈夫ですか・・・ってあれ?」 そこには見知ったブロンドの髪の少年・・・マリクさんがいた。 『こちらこそ、スミマセン・・・って、ちゃんだったんだ、ゴメンね〜』 そう言いつつ、彼は私のぶつかったおでこに手を当てて摩ってくれる。 「マリクさん。どうしてここに?」 『どうしてって、もうすぐ・・・』 そこまで言いかけて、マリクさんは何かに気が付いたように手を口に当てて噤む。 『えっと、ちゃんは彼のバレンタインチョコを探しに?』 「そうじゃないんだけど、作るために良いアイデアないかなと思って」 『そっか、ちゃんの作ったものなら了くんは何でも喜んでくれるよ』 「うん、ありがとう。マリクさん」 そんな日常のお話をしつつテクテクと歩き、お店を見る。 その時販売員のお姉さんと目が合う。 「良かったらチョコのご試食、いかがですか?」 「あ、ありがとうございます」 「彼氏さんもご一緒にどうぞ」 「エッ!?」『エッ!?』 2人一緒に声がハモる。 販売員さんはクスリと笑みを零し、ハイとマリクさんにもチョコを渡す。 エッと、どうしよう・・・ 2人でパクリと食べ、お礼を言ってそそくさとその場を去った。 『参ったなぁ、彼氏って言われちゃった。違うのにね』 「本当にね」 くすくすと2人で笑い合う。 「今日の所は帰ろうかな」 『そう?じゃあ、ボクも用事は済んだし家まで送るよ』 「いいの?」 『うん、もちろん。了くんの彼女だからね。ここでもし何かあったら申し訳け立たないし』 「じゃあ、お言葉に甘えて。行こっか?」 そうしてそのショッピングセンターを後にした。 外に出ると、かなり暗くなっていた。風が強く吹いてかなり寒い。 『ちゃん、首元寒いでしょ?』 「大丈夫。これくらい慣れっこだから」 マリクさんにニコリと微笑むと、彼はゴソゴソと荷物からなにやら取り出した。 『ホラ、コレ使って?』 ふんわりと首に巻かれる暖かいマフラー。 「えっ、でもこれマリクさんの・・・」 『ボクの方が普段から部活で鍛えてあるから、大丈夫だよ』 「ありがとう・・・でもなんだか悪いから、半分こにしよ?」 そう言って、私はマリクさんに半分マフラーを首にかけてあげる。 「これでよし、暖かいね♪」 首から首へ繋がったマフラー、それをマリクさんはじっと見つめる。 『ちゃんってひょっとして天然?』 「へ?」 突然の返しに私は首を傾げてしまった。 何だ何だ??? 『ま、いいや。行こうか』 マリクさんは、キュッと私の手を引っ張った。 「キャ!」 突然歩き出したマリクさんに一歩出遅れて、私はまた躓いてしまい・・・ ちゅっ マリクさんの唇に偶然にもキスまでしてしまった。 「わっ、ご・・・ゴメンなさい」 『ううん、大丈夫さ。ちゃん、了くんが常に君を気に掛けている理由がよく解った気がする』 マリクさんは跪いて私の頬を両手で挟み、人差し指を私の唇に当てる。 『今日の事は了くんとバクラには内緒ね』 私はもちろんと、コクコク激しく頷く。 吐露すると、今度はマリクさんからチュッとキスされた。 『お口直し・・・コレでお相子だよ?』 悪気なしの笑顔を見せつつ、マリクさんは私の頭をポンポンと撫でてくれる。 「う・・・うん」 ・・・何故? そうして帰路に付き、何事も無かったかの様にお別れの挨拶を言うと、今日という一日は終わった。
|
コメント・・・ ここまで読んでくださってありがとうございます。いつも通り、無理矢理終わらせましたw 以前から作ってみたかった、バクマリの方のマリクとのお付き合い。 カオスで展開ありえねー的なお話を書きたかった、それだけです^^; こちらのマリクは可愛いマリクのはずですが、女の子といるとギャル男になるんですかねw チャライですw ひそかにW獏良ズ監視してそうですねww そうなると次はお仕置きタイムですかねw |
14.02.12
|