(獏良くん、どうしてここに? どうしよう、追いかけたほうがいいのかな・・・ 「待って! ちゃん。」 「キャ!」 悩んでいたらマリクくんに突然押されて・・・もとい押し倒されてた。 「な・・・何!?」 「君を行かせたくない・・・」 「マリクくん・・・」 上からじっと見つめられる。顔の両脇に置かれた両手両腕で、緊張が高まる。 「ボクは、エジプトから君を追いかけてきた。やっと・・・やっと逢えたんだ!!」 「・・・・・・」 彼は辛そうに、一つ一つ言葉を紡ぐ。 「転ばせてしまってゴメン・・・ボクの手を使って?」 「ありがとう・・・」 彼は押し倒してしまったことを後悔するように、私の体を起こしてくれた。 「さっきの彼、ちゃんの彼氏?」 「うん、でも今は気まずくって・・・」 「悩んでたのって、彼の・・・コト?」 「・・・うん」 少し間を置き、彼は私の両肩を包み込むように両手で掴み、私を真っ直ぐ見つめる。 「・・・ボクだったら、君に悩ませるようなことさせはしない。君を悩ませる彼を許さない。 「ちょ、獏良くんは悪くないの。天然さんなだけで私のこと想ってくれてると… 「ボクだって、ちゃんの事を!!」 「待って、だからね。私、思ったの。どうしたら良いかって。」 ・・・どうしようか? マリクくんと・・・ やっぱりダメ。 |